この記事では、六本木ヒルズにある森美術館で開催されているレアンドロ・エルリッヒ展に行ってきましたので感想を紹介します。写真撮影・投稿OKなのでInstagramなどSNS映えのネタにも良いですよ!
レアンドロ・エルリッヒとは?
レアンドロ・エルリッヒはアルゼンチンの現代芸術家で、立体造形物を中心に鏡や映像を組み合わせた作品を得意としています。
2000年前後から多くの国際芸術展へ精力的に作品を発表し続けており、日本では新潟で開かれる大地の芸術祭や香川県で開かれる瀬戸内国際芸術祭などのほか、現在は金沢21世紀美術館に常設作品が展示されています。
作風は現代的ですが現代芸術によくみられる難解さはなく、人間の錯覚を利用した「だまし絵アート」的な作品と風刺の効いたメッセージのある作品が多く見られます。
主な作品
反射する港
レアンドロ・エルリッヒ展の最初に展示されている作品です。
池に手漕ぎボートがいくつか浮かんでいるように見えますが、実際に水にボートが浮かんでいるわけではなく、「水面に映るボートの像」まで含めて立体造形物として作ってあるのです。
実際に水に浮いているように見せるためにゆらゆらとボートを揺らすことまでやってしまう芸の細かさ。
「ボートは水に浮かぶもの」という一般常識を逆手に取った作品です。
試着室
一見洋服店にある試着室のように見えますが、中に入るとこのような迷宮が広がっています。
レアンドロ作品には合わせ鏡を使ったものが多いですが、この作品では合わせ鏡を使って永遠の空間を表現しつつも間に鏡のない空間も効果的に配置してあるため、自分が写るかと思いきや他のお客さんが出てきて、、といった変化を楽しむことができます。
昔遊園地などにあったマジックミラー迷路や立体迷路にちょっと似ていますが、この作品では普通の鏡だけで永遠の空間を表現することができていて、よく考えて作ってあるなと思いました。
建物
今回の展示の目玉作品の一つです。
巨大な鏡を斜め45度に立てかけることで、床にある壁を模した造形物に寝そべっているところを正面から見ると垂直につかまっているように見えるという作品です。
この作品は子供さんに遊ばせて記念写真を撮るのに良いと思いますが、鏡は非常にデリケートにできているそうなので子供さんが鏡のそばへ移動しないように注意しましょう。
また、この作品は巨大な鏡をワイヤーで釣ってあります。森美術館はビルの高層階にあるので、ちょっとした地震でもかなり揺れると思われます。地震の際にはすぐにそばを離れることをおすすめします。
失われた庭
室内にまるで中庭のような庭が作ってあります。
庭をのぞいてみると、中には草が生い茂っていてかなり手入れがなされていないまま年月が経っているように見えます。
そんな庭の様子に思いをはせながら、ふと向こう側の窓を見ると、誰かが向かい側の窓から中庭を見ています。それは誰、、!?!
後は見てからのお楽しみ!
レアンドロ・エルリッヒ展の感想
レアンドロ・エルリッヒの作品は錯覚を利用している点においては「だまし絵アート」と似ていますが、日本の観光地によくあるだまし絵アート博物館とは一線も二線も画したセンスの良さが光る作品ばかりで、落ち着いて見ることができます。
また、利用されている錯覚は単純な錯視だけでなく一般常識による思い込みを利用しているものが多いです。加えて独創的で見た時にハッと気づかされるような「思い込みの隙」を突いた作品が多いので、一見の価値はあると思いました。
一方で、そんなハイセンスさを備えていつつも、子供にも分かりやすいような面白さを持った作品が多く、大人も学生も子供も楽しめる美術展だと思いました。
実際にレアンドロ氏自身が参加する小さい子供向けのワークショップも関連プログラムとして開催されるようなので、レアンドロ氏自身が子供好きで、誰にでも直感的に分かるような作品作りを心掛けているのだろうと想像します。
雑感
スマホカメラ性能の進化
最近はiPhoneなどスマホの撮影性能が上がってきたので、暗い所でフラッシュ無しで撮った写真も使い物になるようになりました。上の「反射する港」の写真はiPhone7で撮りましたが、同じくらい暗い所でiPhone5Sくらいまでの機種で撮るとノイズだらけで見ものにならなかったと記憶しています。なんだかんだ言ってスマホのカメラの性能は着実にアップしていると思います。
最近はフラッシュ無しであれば撮影OKの美術展が増えてきましたが、スマホに搭載されているカメラの性能向上と最近の「Instagram映え=女性を呼び込める」という集客要素からくるトレンドなのだろうと思います。
最新技術によるガジェットの性能アップと女性に受けるマーケティングを組み合わせれば世の中の常識を変えていける良い例だと思いました。
ものこころ提灯
「反射する港」でゆらゆらするボートを見て思い出したのですが、東京ミッドタウンにあるミッドタウンガーデン内で提灯のような色とりどりの明かりを模した現代芸術作品が展示されていました。
こちらは「ものこころ提灯」という作品で、提灯の近くに手を伸ばすと提灯がゆらゆら動いてくれる仕組みになっていて、よりインタラクティブで楽しかったです。
こちらの展示は既に終わってしまいましたが、人が集まる明るい街になる良い作品だと思っていたのでどこかで常設してほしいです。
おわりに
2018年4月1日まで森美術館で開催されているレアンドロ・エルリッヒ展はハイセンスながらも子供でも楽しめる、色々な人におすすめできる現代美術展です。
特にデートコースとしては非常に良いと思いました。
参加型の作品が多いので間が持たなくなるのを防ぐことができますし、人間の錯覚という科学的な側面があるので芸術に関心のない相手でも興味を持って見てもらうことができるためです。おまけに展望台に入れるので、ロマンチックな東京の夜景を一望できます。
六本木ヒルズの1階にはこんな幻想的なクリスマスツリーが飾られており、思い出作りにもってこいです。
また、親子連れで見ても子供さんも楽しめる希少な現代美術展だと思います。2018年1月8日まではドラえもん展が同時開催されているので、親子連れなら両方見ていくのもよいかと思います。