この記事では大田区東蒲田の大正湯という銭湯を紹介します。
大正湯という銭湯は今回紹介する大田区東蒲田の他、函館から大阪まで全国にあるようです[1]個人的には、群馬県富岡市の大正湯に機会があれば行ってみたいものです。。
しかし東京の大正湯は他に墨田区にあったようですが廃業してしまったようで、今回紹介する東蒲田の大正湯だけとなっています。
大正湯への行き方
大正湯は京急蒲田駅よりも東側にあるので、JRや東急の蒲田駅からはかなり遠い場所になります。
JR沿線から行く場合は品川や横浜から京急に乗り換える方が行きやすいです。
京急蒲田駅東口から出て、第一京浜を東側へ渡って北上していくとマルコメの看板がありますので、その向こう側の道を右へ入ります。
少し歩くと左側に大正湯の煙突が見えてきます。マルコメの角からはほんのすぐなのですが、古い建物があって昔を感じさせる一角です。
入口は近年改装されているようで、モダンな感じがします。
フロントと脱衣場
フロントで代金を払うと、ロッカーの鍵を渡してもらえます。帰りしなに鍵を脱衣場に忘れてこないように注意しましょう。
フロントから脱衣場への短い通路が鏡張りになっていて、他の銭湯とはちょっと違ったデザイン性を感じました。
脱衣場は大正湯の名前に恥じないレトロ感溢れる造りなのですが、天井にバッテン型にLED蛍光灯が新しく設置されていて、モダンな感じがします。
ロッカーの一人当たりの容積は広くありませんが、上に物を置きやすいようになっていて使いやすく感じました。
洗い場への入り口の男湯と女湯の真ん中の天井近くにある大きなのっぽの古時計が鎮座していて、脱衣場の中でひときわ存在感を放っています。私はたまたま17時きっかりに脱衣場にいたのだが、この古時計の時報音は実に優しい響きでした。おそらく優に半世紀は超えているであろうこの時計が奏でる時報音、是非聴いて頂きたいものです。
他に脱衣場で印象に残ったのは、今は既に使われていない旧三洋電機のクーラーと、休憩所の近くにあるぶら下がり健康機です。
ぶら下がり健康機と言えばテレホンショッピングで買ってはみたけれど三日で飽きてがらくたになる商品の代表格というイメージがあります。若い人は「ぶら下がり健康機」というものを知らないかもしれませんが、Amazonで検索するとそれなりにヒットします。今も使っている人がいるのでしょうか。。
洗い場と湯舟
洗い場の蛇口の数はそれほど多くはありませんが、中の島になっている蛇口にもちゃんとシャワーが付いていて、親切設計だと感じました。島にはシャワー上に物を置く台も備えられていて、島の設備が両端よりも豪華です。私は今回珍しく中の島の蛇口を使いました。
蛇口のお湯はかなり熱いと感じました。水で埋めればよいのであまり気にはなりませんでしたが。。
洗い場の注目ポイントは、身体を洗った湯が流れていく溝の先にある溝の蓋です。溝のステンレスの蓋に、カニの親子がデザインされています。これは他の銭湯ではあまり印象に残ったことがありません。体を洗った石鹸の泡の浮く湯を砂浜の波に見立てて、カニが戯れるさまを楽しむ趣向でしょうか。なかなか良いデザインと感じました。洗い場に入ってすぐ足元を見ると、このカニのステンレス蓋を見ることができます。
湯舟のお湯の温度は東京銭湯としてはほんの少しぬるいかなと思います。一般的なスーパー銭湯よりは当然熱いですが。。
大正湯の湯舟の特徴的なアイテムとして、ショルダーマッサージがあります。普通にお湯に入って両肩の上の位置からお湯が出るように巨大な蛇口(可動)が二つ設けられていて、蛇口の間に座ると肩に落ちてくるお湯でマッサージできるようになっています。他の銭湯ではなかなか見ない設備です。
また、スチームサウナが現役で稼働しています。
風呂から上がって服を着て休憩所に来てみると、錦鯉が泳ぐ池の庭がありました。
伝統的な東京銭湯によくある風情の庭ですが、大正湯の庭は数ある東京銭湯の中でもものすごくコンパクトに作られていると思いました。この狭い面積でここまで風情を出すことができるものかと驚かされます。
ちなみに、女湯には男湯にはない露天風呂があるようです。
おわりに
蒲田にはたくさんの銭湯があります。大正湯はその中でかなり地味な方だと思いますが、私はそういう地味さが好みなので全然OKでした。
とは言っても大きな古時計や庭を始めとしたレトロ世代設備、ショルダーマッサージやぶら下がり健康機などバブル前夜っぽい感じの設備に加えて脱衣場天井のLEDライトという新世代設備、と三世代設備が楽しめる味わい深い銭湯と感じました。
三世代の設備がそろっているものの、ごちゃごちゃした印象はなく、全体的には昭和のレトロ感溢れる統一された感じがします。
大正湯は東京でレトロ感をお手軽に味わえる蒲田の銭湯です。横浜・川崎・羽田空港からも至便な場所にあるのでぜひ一度行ってみてくださいね!
References
↑1 | 個人的には、群馬県富岡市の大正湯に機会があれば行ってみたいものです。 |
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