その稀勢の里関の出身地は相撲部屋に入門した当時の住所である茨城県牛久市とされているのですが、牛久市よりも相当長いあいだ隣の竜ケ崎市に住んでいたそうです。
そのため竜ケ崎市も横綱を育てた土地として名乗りを上げていて、牛久市とともに稀勢の里関を盛り上げる活動をしています。
そんな牛久市と竜ケ崎市のちょうど境目に、特徴的なパワースポットがあります。その名も女化神社。
この記事では私が女化神社へ行ってみた感想を書きます。
「女化」の読み方
まず女化神社って読み方が分からない人が殆どだと思います。
女化は「おなばけ」と読みます。
おなばけ神社。
妖しい女性が登場する和風ファンタジーを想起する幻想的な名前ですね。
女化神社の祭神と伝説
女化神社の祭神は保食神(うけもちのかみ)という五穀豊穣の女神です。元は稲荷社だったので女化稲荷とも書かれていますが、祭神は稲荷大神ではありません。
女化神社が女化と呼ばれるようになった由来の伝説があります。
今から500年ほど前、とある武士が猟師に狙われていた狐を助けました。
すると人間の女性が現れ、結婚して子供もでき幸せに過ごしました。
しかし子供がまだ小さい時に正体が狐とバレてしまい、女性は姿をくらましてしまいます。
以来、この地は「女化原」と、その地にあった稲荷神社は女化稲荷と呼ばれるようになりました。
ロマンチックですね。
しかし仮に15年くらい前に同じ伝説を聞くと「狐に化かされた哀れな男の話」って感じの印象だったと思います。
最近はちょっとググったりPixivやニコニコ静画などを覗けば美しい女性に化けた妖(あやかし)やケモ耳女性の美しいイラストをたくさん見つけることができますし、つい最近にはけものが女の子に化けたアニメが大流行したからか「女性に化けた獣」という存在に親近感を抱くようになってきたのかもしれません。
今YouTubeで最新の流行となっているバーチャルYouTuberのキャラの中にも、のじゃロリ狐娘さん(中身はおじさん)がいますね。
今後もしかしたら「聖地」になるかもしれませんよ。(ないか)
女化神社の位置とアクセス
地図で見ると牛久市の中に竜ケ崎市の飛地があって、その飛地が女化神社の境内になっています。
周りを囲む牛久市の町名が神社の名前からとった女化町となっているところがまたややこしいですね。
女化神社は車だと牛久駅・佐貫駅からも行けますが、圏央道の牛久阿見ICからが行きやすいです。
牛久阿見ICから出てまっすぐ10分位進む(竜ケ崎方面へ南下する)と、「長山北」というエッソのガソリンスタンドがある信号があるので、左折します。
左折して次の信号を越えるとすぐに女化神社の案内広告が見え、右側に女化神社の駐車場が出てきます。
公共交通機関の場合は、JR常磐線佐貫駅からバスになります。佐貫は東京から見て取手の2つ向こう側の駅で、上野から特別快速で40分ちょっとで行けます。意外と近いですね!
「ニュータウン長山」行きのバスに乗って約13分、終点まで行きます。新興住宅地域に近いので、1時間に3本程度と茨城県の中ではバス便が良いです。
終点のニュータウン長山バス停からは徒歩10分程度です。長山北交差点をまずは目指して歩きましょう。
神社の入口と参道
神社の入口は駐車場の反対側になるのですが、この神社で一番雰囲気を感じたのは神社入口の参道です。ちょっと散策気分で入口まで往復してみましょう。
参道入口はこんな感じ。
どこか普通の神社の参道とは違った感じがします。参道が高低差もなく一直線にまっすぐに作られている神社って意外と少ないのではないでしょうか。
林の中へ参道を進んでみるとなんだか非日常な感じがします。夜に通ると、まさに女性の妖(あやかし)が出てきそうな雰囲気です。まさにパワースポットという感じです。
境内
しばらく進むと、神社境内の入り口があります。ここでは女化稲荷神社と表記されています。
稲荷神社らしく、(伏見稲荷大社ほどではありませんが)鳥居がいくつも建てられています。
こちらが本殿です。両サイドの狛犬に相当する場所にはお狐様が子連れで鎮座ましましています。女化の民話に出てくる女狐は助けた男性との間に子供をもうけていることから、子宝の御利益もあるのかもしれません。
私は土曜日の昼下がりに訪れましたが、女化稲荷神社を訪れている間、誰一人として人とすれ違うことはありませんでした。
東京周辺で静かなパワースポットに行ってみたいなら、ぜひおすすめしたい場所です。
おわりに
女化神社の敷地の外側には畑が広がっていますが、敷地内はまばらな雑木林になっていて「女化原」と呼ばれた昔の原野の様相を残しています。
静かな休日を過ごしたいなら、東京から1時間ちょいで行けるロマンチックな伝説を残したパワースポット、女化神社に行ってみてはいかがでしょうか。