蔦珈琲店@南青山は旧建築家山田守邸。建築遺産としても喫茶店としても一級品!

この記事では、南青山にある蔦珈琲店という喫茶店について紹介します。

この喫茶店、元々は山田守という著名な建築家の自宅兼設計事務所として建てられたため、趣向を凝らした造りになっているのです。

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蔦珈琲店へのアクセス

蔦珈琲店の最寄り駅は地下鉄表参道駅です。

表参道駅B1出口を出てまっすぐ進むと、南青山五丁目交差点があります。

南青山五丁目交差点を左折すると骨董通りですが、この交差点の少し先にも左へ入る細い道があります。青山学院大学の手前の道です。この細い道を左へ入ります。

しばらく進むと、左側に蔦珈琲店があります。

 

蔦珈琲店の建築

蔦珈琲店の建物は山田守という建築家の自宅兼設計事務所として建てられました。

建築家・山田守について

ここで、山田守についてご紹介します。

山田守は戦前から戦後にかけて活躍した建築家です。

主な作品には、日本武道館や京都タワーなどがあります。この2つの建物を知らない日本の人はほとんどいないでしょう。

どちらの建物も、都会的でシンプルながらも曲線をうまく使った印象深い建物ですよね。

しかし、山田守自身は今は知る人ぞ知る存在になってしまっています。

なぜかと言うと、京都タワーが京都の景観にそぐわないと批判を受けたのが一因のようです。確かに、考えてみれば保守の塊のような京都の街並みによくあのようなスマートなタワーを建てられたものだと逆に感心させられますね。

山田守はもともと東大1)当時は東京帝大でした。の建築学科を出て逓信省2)今のNTTにあたります。に入省し、初めから大規模な電話局をはじめとして大きな建物の建築設計を得意としてきたようで、個人の邸宅などの小さな建物の設計作品は数えるほどしかありません。

山田守本人も元々は自宅を設計するつもりはなかったようですが、家族の希望で晩年にやっと自分で設計した自宅を建てました。それが今の蔦珈琲店の建物です。

蔦珈琲店(山田守邸)の構造

今は蔦珈琲店になっている山田守邸は3階建ての建物ですが、昭和34年の竣工当時は下記のような構造でした。

  • 1階:半分以上空きスペース(壁がなく柱だけ)・建築事務所・自宅(倉庫)
  • 2階:自宅プライベートスペース(3SLDK+女中室)
  • 3階:建築事務所(メインスペース)・自宅(書斎)

2階の自宅プライベートスペースを挟むように1階と3階に建築事務所があり、しかも1階はほとんど中空だったという、普通は考えつかないような構造だったのです。

その後、1階の空きスペースに喫茶店が増築されました。これが蔦珈琲店です。

この写真で見えているのは2階と3階です。1階の喫茶店は蔦の向こうに隠れています。

特徴的な庭

蔦珈琲店の店舗スペースの窓は非常に広くとられていて、庭を見渡すことができます。

この庭には草木が茂っていて都会の真ん中でも安らぎを感じることができますが、大きく盛り土をしてあって、珈琲店から見るとちょっと狭い感じがします。

なぜこんな盛り土があるかというと、元々1階から眺めるためではなくプライベート住居スペースである2階から眺めるためなのです。

実は2017年4月に2階部分の一般公開があり、私も見学してきました。整理券を配る大盛況で、かなりの方々が2階を見学されたと思います。

見学された方はお分かりと思いますが、2階からの庭の眺めは1階からとは格別でした。

 

この写真はこの建物で最も目立つ特徴的な意匠を持つ、1階から3階まで登るらせん階段です。この階段は設計事務所や郵便配達夫も通るパブリックスペースとして設計されていて、土足で上り下りする設計です。この階段のほかに、プライベートスペースにも別の階段があります。

山田守の先見性

山田守邸の前は細い道ですが、目の前には青学の建物がそびえ立っています。これでは庭を眺めようとしても目の前の建物が目立ってしまいます。

そこで、山田守は2階の建物から庭を望む視線を道路と垂直ではなく70度くらい傾けて設計したのです。この設計により、2階はもちろん1階からも青学の建物による狭苦しい感じは感じません。

山田守のすごい所は、竣工当時には目の前の青学の建物は無く、広々としたテニスコートだったという点です。当時から都会の建物は過密化・高層化することを見通していて、目の前にビルが立ちふさがる未来を予見した設計にしていたのです。

蔦珈琲店の喫茶店としての実力

今の蔦珈琲店はカウンター10席、2人用テーブル7つほどの喫茶店です。

メニューは一般的なコーヒー類やケーキ・シュークリームなどの洋菓子類の他、軽食や軽いアルコールもあってなかなか幅広いです。

私は試しに普通のホットコーヒーを注文してみました。

出てきたコーヒーは量は多くないのですが非常に飲みごたえがあり、しかも美味しく、非常に満足な味でした。

チェーン店にはできない味だと思います。

おわりに

建築家山田守の自宅を使った喫茶店、蔦珈琲店。

建物としての特徴もさることながら、喫茶店としての実力が一級品です。

是非行ってみてください。

References   [ + ]

1. 当時は東京帝大でした。
2. 今のNTTにあたります。
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