日本、家の列島@パナソニック汐留ミュージアム

パナソニック汐留ミュージアムで開催されている「日本、家の列島」という企画展に行って見てきましたので、内容紹介と感想を記事にしました。

日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―― | 汐留ミュージ...
パナソニック 汐留ミュージアム(東京・汐留)では常設のジョルジュ・ルオー作品展をはじめ、様々なアートイベントをご用意しています。2017年4月8日(土)〜6月25日(...

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全体構成

この展示会は、4人のフランス人が感銘を受けた日本の住宅建築約70棟について、写真・映像・模型による展示が中心になっています。

4人のフランス人の等身大パネルが最後に展示されていて、この等身大パネルだけが写真撮影可能でした。 

展示は「昨日の家」「東京の家」「今の家」の3コーナーに分かれています。

昨日の家

このコーナーは展示順路の最初にあります。

戦前からバブル前夜までにかけての日本の代表的な14棟の住宅建築の写真と模型を列挙することで、日本の住宅建築の歴史を振り返ることができるようになっています。

丹下健三・菊竹清訓・安藤忠雄といった偉大な大物建築家の作品を押さえていて、ざっくりと戦後日本の傑作住宅建築について知ることができます。

東京の家

このコーナーは展示順路の最後の方にあるのですが、写真の列挙だけなので先に紹介してしまいます。

主に2000年代(2001~2011年)に竣工された36棟の東京の住宅建築の中でフランス人写真家ジェレミ・ステラ氏の心に響いたものを撮影した写真が列挙されています。

後述の「今の家」コーナーとともに、多くの建築家が設計した特徴的な住宅建築を数多く見ることで今の日本の注文設計住宅のトレンドをうかがい知ることができる展示だと思いました。

今の家

このコーナーが一番力の入った展示となっています。具体的には、下記のような展示が行われています。

  • 建物を設計した建築家と施主(建物のオーナー)双方への詳しい定点観測的なインタビュー
  • 写真パネル・模型だけでなく映像による紹介コーナー
  • スマホアプリで可視光通信技術により建築家プロフィールなどの情報を見られる工夫

「今の家」で紹介されている建築は20棟で、1998年築の1棟を除いてすべて21世紀に入ってからの建築であり、ここ10年間の建築の展示が7割方を占めています。

このため、「今の家」を見ればここ10年間くらいの注文設計住宅建築のトレンドをうかがい知ることができます。

私が見て感じた点は下記の通りです。

ものすごい大きさの開口部

「今の家」で紹介されている注文建築は普通の戸建て住宅と比べて、ものすごく大きい窓や外部に通じる扉を備えた建物が多いです。

施主または建築家が「光」や「外界との関わり」にこだわりを持って作った建物が多いことが分かります。

もともと日本古来の建物の造りの特徴からして縁側など外部に開かれた構造を持っているため、フランス人としては「西欧に無い」構造に心動かされたのかもしれません。

巨大開口部が多くなる原因として、外界に対して閉じた家だとどうしても狭苦しく感じてしまうという日本特有の土地事情もあると思うので、そのあたりも西欧の人から見ると新しい視点なのでしょう。

建築家や施主に対する定点インタビュー質問項目の中にプライバシーへの配慮に関するものがあり、巨大開口部とプライバシーの両立が大きな関心事であることも分かります。

白、または木目へのこだわり

建物の外装にも内装にも言えることですが、とにかく白一色!!というデザインの家が目に付きます。または、木目の味を思いっきり出しました!!というデザインも多くありました。

「昨日の家」コーナーでは見られたコンクリ打ちっぱなしの内外装は「今の家」「東京の家」コーナーではほとんど見られません。

私は個人的に「デザイナーズハウス=コンクリ打ちっぱなし」という固定観念を持っていたため、今のトレンドは変わったのだな。。と思いました。

中2階的なフロア構成へのこだわり

建物の内部構造としては、中二階・ロフトやそれに類する構造を持つ建物が非常に多いことに特徴を感じました。

中二病ならぬ「中二階病」とでも呼びたくなるほどです。

こちらも開口部の話と同様、狭い日本の土地の建築でできるだけ広い空間を感じるために、階段や2階を階層として閉鎖してしまわずにできるだけ吹き抜け空間として確保するための技法なのだろうと思います。

一番極端な例としては、居間の真上の寝室(子供部屋?)の床がグレーチングっぽく1)床の材質は木ですが。。下からスケスケに見上げられる構造になっている住宅がありました。

紹介映像ではその家の女の子がスケスケの床の上で楽しそうに遊んでいましたが、それなりの年齢になられると床に何か敷くように親御さんにお願いするようになること必至だろうな。。と思いました。

注文住宅は誰のものか

「今の家」では、注文住宅の住人の構成や職業まで紹介されています。

やはり今の日本で建築家に設計を依頼して注文住宅を建てるのは成功したクリエイター、大学教授が多いようです。

また、経営者が施主である建築でも、その経営者が一人で考えをめぐらすために建てた別荘だったりします。

考えてみると、今の普通のお金持ちは高級タワーマンションなど集合住宅に住むのが普通ですよね。

いくらお金持ちになっても、家がクリエイティブな仕事の場とならない限りはわざわざ莫大なお金を払って注文設計住宅を建てようとは思わないのでしょう。

逆に言えば、仮に働き方改革などの成果でお金持ちの多くが自宅で仕事をするようになれば注文住宅業界や建築設計業界が大きく発展するかもしれません。

おわりに

パナソニック汐留ミュージアムで開かれている「日本、家の列島」。

フランス人の目から見ることによって日本の住宅建築の特徴が分かる、良い展示会だと感じました。注文建築を建てたい人もそんな余裕のない人も、是非一度見る価値はあると思います。

会期は2017年6月25日(日)までです。

普段は大人800円かかりますが、2017年5月18日(木)は国際博物館の日を記念して特別に全ての方が無料で見ることができるそうですよ!

References   [ + ]

1. 床の材質は木ですが。。
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