藤森照信氏はなぜ木の上に茶室を作るのか?実際に行ってみて分かりました

この記事では、建築家藤森照信氏の代表作「高過庵」「空飛ぶ泥船」など空に浮かぶ茶室を紹介します。ぜひ実際に現地へ行ってみることをおすすめします。

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藤森照信氏とは?

藤森照信氏は東大工学部の教授で、近現代の建築史と自然建築デザインを専門とされています。

中でも自然建築デザイン分野では日本各地に多くの作品を作られていて、非常に印象深い意匠を残されています。

屋根の上に生える草木など、一見奇抜だけれども実は考え抜かれた建築素材を使った建築作品の数々はいずれも一見の価値ありです。

また茶目っ気もある方のようで、南辛坊氏や赤瀬川源平などとともに街を歩いて目にしたヘンなものを写真に残す「路上観察学」や、建築業者に任せられないマニアックな建築を自分たちの手で行ってしまう「縄文建築団」といった活動もされています。

とくに有名なのが木の上に作られた茶室である、「高過庵」「空飛ぶ泥船」「茶室徹」の3作品。

 

「高過庵」と「茶室徹」は木の上に茶室が建ててあり、「空飛ぶ泥船」は上の写真のようにワイヤーで茶室がぶら下げられている作品です。

私はこれらの作品を写真で見たことがあったのですが今一つ感動がなく、単に奇をてらった作品なのではないかと思っていました。

しかし実際に現地で作品を見てみて考えが変わりました!

これらの作品は茶室の本来の意味である「もてなし」の心にあふれたものなのだと感動しました。

この後の文章で、各々の作品がある場所について紹介します。

神長官守矢史料館

「高過庵」と「空飛ぶ泥船」の2作品は、長野県茅野市にある神長官守矢資料館(じんちょうかん もりやしりょうかん)という施設の近くに建てられています。

神長官守矢資料館には、諏訪神社の神職(神長官)であった守矢氏の中世から江戸時代にかけての活動に関する資料が展示されています。

神長官守矢資料館の建物自体も藤森照信氏による建築で、藤森氏の最初の作品です。この地は藤森氏の出身地なのだそうです。


守矢資料館から山へ向かって数分歩いたところに、高過庵と空飛ぶ泥船があります。

実際に見てみて気づいたのは、両方とも諏訪盆地や向かいにそびえる永明寺山の眺めを広く楽しめる山の中腹に作られていること。

地上からも眺望は楽しめるのですが、ちょっと高いところに登れば絶景に違いないと思わせる場所なのです。

まさにそのちょっと高いところに作られているのが高過庵と空飛ぶ泥船。

いつかは空中の茶室から諏訪盆地の絶景を楽しんでみたいものだと思いました。

そんな絶景をとっておきのお客様にだけ楽しんでもらうために建てられている茶室。これ以上のもてなしはないでしょう。

 

なお、2017年8月1日現在高過庵の敷地では何やら重機を使った工事が行われていました。

資料館の方によると、今度は地中の茶室を建設しているとのことでした。その名も「低過庵」。藤森氏の茶目っ気センスにあふれる命名ですね。

低過庵は2017年秋に完成予定とのことです。どのような茶室になるのか、楽しみですね。

清春芸術村

茅野市から少し東に行き県境をまたいだ山梨県北杜市。

北杜市には、清春芸術村という美術館集合施設があります。

この清春芸術村にも、藤森照信氏による木の上の茶室があります。

茶室「徹」

清春芸術村の藤森照信作品は、茶室「徹」という名前です。この名前は作家の阿川弘之氏による命名で、谷川徹三という哲学者の名にちなんだものだそうです。

建築作業には縄文建築団のメンバーも手伝って作られたとのこと。

2006年4月竣工、高さ地上4メートル、室内1.7坪。

清春芸術村の芝生広場に茶室轍は建っているのですが、芝生広場の眺めが良いだけでなくちょっと上空からだと八ヶ岳の方まで見えそうです。

こちらも、一度室内にお邪魔してみたいものだと思いました。

また、桜の季節には茶室徹の周りは桜花満艦飾になるそうです。春にも来てみたいものですね。

その他の見どころ

清春芸術村には、他にも安藤忠雄による光の美術館や清春白樺美術館など多くの美しい建築や美術作品が展示されています。

清春芸術村でひときわ目立つのが煉瓦造りの円筒形の建物。この建物はラ・リューシュといい、中はアトリエや資料室・グッズショップになっています。1900年のパリ万博のワインパビリオンをモチーフとしたとのこと。玄関内には岡本太郎氏の絵が飾ってあります。

入り口横に置いてある自動車もただの車ではありません。車内後部をアトリエとして使えるようになっています。道理で窓がものすごく大きいわけです。普通のサスペンションだと割れてしまうほど大きなガラス窓で、特殊なサスペンションに改造してあるとのことです。

光の美術館の一番奥にある大きな絵は赤い点が描かれているのが印象的ですが、制作したクラベという画家はこの赤い点を描く場所を考えるだけで2年かかったそうですよ。

ちなみに光の美術館入り口にあるトイレがすごく綺麗なので、おすすめです。

志賀直哉コレクションを中心とする白樺派関連の展示、宗教芸術家ルオー関連の展示が充実しています。

清春芸術村(茶室徹を含む)の入場料は大人1500円。これだけの美術や建築があってこの値段は安いと思いました。

おわりに

長野県諏訪地域から山梨県北杜市にかけては藤森照信氏の作品をはじめ、多くの建築作品や美術作品を見ることができます。

特急あずさ号のほか、中央高速バスも便利です。

清里や美ヶ原など夏の避暑のついでに訪れてみてはいかがでしょうか。

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